宿命と運命


「宿命」とは、「命が宿る」と表されるように、私たちがこの世の中に命を授かったときに、既に私たちの中に宿っていたものをさします。一方、「運命」とは、「命を運ぶ」、すなわち、自分たちの意思で、授かった命を運んでゆくという意味があります。

宿命は、「私たちが生まれてきたときには、既に決まっている」ということなので、私たちの努力では変えようがありません。

例えば、日本人に生まれれば、海外に移住して、永住権を取ろうとも、日本人として生まれたという事実は、一生変わらないわけです。こうしてみると、宿命とは、生まれつき決められてしまっている条件であり、いくら努力しても変えられないので、受身にとらえることしか出来ないものに思えます。

ところが、スピリチャルな世界では、この宿命に対して少し違った見方をしています。宿命は、神様が勝手に私たちに与えた条件ではなく、実は、わたしたちが生まれる前に、こころを進化させるために「自分自身に課した課題である」と考えるのです。

そのように考えると、宿命とは、私たちが「こころの進化」を果たすために、自らの意思で選択した「人生という学校における学習カリキュラム」であり、同時に、私たちがこの世の中において果たさなくてはならない「役割」という事でもあるのです。

一方、「運命」は、私たちの努力と意思次第でかなり自由にコントロールすることが出来ます。 宿命が「人生における私たちの役割」であるという考え方をすれば、運命は、その役割をうまく演じてゆくために私たちが自分自身の意思と努力で選択してゆくものです。

例えば、人を助ける役割を宿命として担って生まれた人でも、自分たちの選択次第で、医者になってその役割を果たすことも可能だし、消防士になって宿命を全うすることも可能なわけです。医者になるのも、消防士になるのも、この人の運命の選択次第と言えます。

そして、「運気」とは、私たちが宿命という人生の役割と学習課題を無事に学び終えるために運命をコントロールするために必要なエネルギーです。その時々の運気に応じて、運命をうまくコントロールすることが出来れば、運気の燃焼効率が高まり、所謂「運が良い」という状態を作り出すことが出来るのです。